細井美裕+石若駿+YCAM 新作コンサートピース『Sound Mine』
山口情報芸術センター[YCAM]
- Theatre Piece
- 2019
声と打楽器
記憶を呼び覚ます—旅にいざなうコンサート
ボイスアーティストの細井美裕と、世界的に注目を集める若手打楽器奏者・石若駿、YCAMのコラボレーションにより制作する新作コンサートピースを発表する公演です。
細井と石若による音楽表現への探求と、YCAMが継続してきた音とメディアテクノロジーへの実験の蓄積を活かした制作により生み出された本作は、環境に埋め込まれた音の多層的な情報を発掘し、「音と響きによって記憶を喚起させる」ことをテーマにしたコンサートピースです。
環境というアプローチから、観客の知覚のプロセスにクローズアップする本作は、私たちが日常生活において何気なく聴いている音に対する、これまでにない視点を提示するでしょう。
空間が持つ音の響き方の特性から、観客それぞれの記憶を喚起する
本作のタイトルには、私たちが普段何気なく聴いている音の中から、情報を掘り起こすという意図が込められています。この「情報」とはすべての空間が持っている響きの特性です。例えば壁のない屋外では距離が離れるに従って音の強さは減少します。しかし屋内では壁、天井、床などに囲まれていることによって音の反射や吸収が起こります。そのため空間の形状、広さ、材質が異なれば、同じ音を発したとしても響き方は異なります。
本作では、制作の過程でYCAMの館内をはじめ、山口でユニークな残響が起こる建築物や自然空間で響きの特性を採取。それに基づいてさまざまな記憶を喚起させる音の風景を構築します。この音の風景を、観客はヘッドフォンを通じて体験します。一般的なコンサートとは異なり、演奏の中心にいるはずのミュージシャンは観客の視線からは隔たれており、ヘッドフォンからは、上述の音の風景の中を移動するかのように、音が立体的に動きまわる様子が展開していきます。また、コンサート会場の舞台美術や照明も作品の一部となっており、聴覚と視覚が連動することで生まれる抽象的なイメージを通して、観客が自身の感覚や記憶に向き合うことになります。
- 公演日
- 2019年11月15日(金)、16日(土)
- 会場
- 山口情報芸術センター[YCAM]
- Web
- https://www.ycam.jp/events/2019/sound-mine/
CREDIT Thank you for all the amazing staff
- コンセプト、演出、作曲、演奏:細井美裕、石若駿
- 機械制御、映像、空間デザイン:元木龍也
- テクニカル・ディレクション:大脇理智(YCAM)
- テクニカル・マネージメント:中上淳二(YCAM)
- 音響システム、音響デザイン:中上淳二(YCAM)
- 音響技術:安藤充人
- 照明デザイン:高原文江(YCAM)
- 映像制御プログラム、ネットワーク構築:三浦陽平(YCAM)
- 映像技術:大脇理智(YCAM)、今野恵菜(YCAM)
- プロダクション・マネージメント:クラレンス・ン(YCAM)
- テクニカルサポート:やの舞台
- ヘアメイク:MAHITO(TETRO)
- 衣装:即興/SOKKYO
- 教育普及:金子春香(YCAM)、石川琢也(YCAM)、山岡大地(YCAM)、原泉(YCAM)
- 教育普及プログラムサポート:出口晃多、吉峰和奏、橋口勇樹、大金まどか、平尾美紀、秋貞朝、原さくら、坂倉杏香
- ハンズオン展示ディレクション:今野恵菜(YCAM)、中上淳二(YCAM)、細井美裕
- 広報:石井草実(YCAM)、谷紗矢乃(YCAM)
- ドキュメンテーション:渡邉朋也(YCAM)
- フライヤー・ポスター・ハンドアウトデザイン:へきち(田渕正敏・松田洋和)
- サイネージ・ディレクション:高原歩美(YCAM)
- コーディネーション:福地ひかり(YCAM)、山田ちほ(YCAM)
- 企画・制作:竹下暁子(YCAM)
- 技術監修:伊藤隆之(YCAM)
- 監修:会田大也(YCAM)
- Special Thanks:JEMAPUR、8%
- Photo(Concert):Yasuhiro Tani Photo Courtesy:Yamaguchi Center for Arts and Media [YCAM]
- 主催:公益財団法人山口市文化振興財団
- 後援:山口市、山口市教育委員会
- 協力:秋吉台国際芸術村、長登銅山文化交流館、興隆寺
- 共同開発:YCAM InterLab
- 企画制作:山口情報芸術センター[YCAM]