Theatre me

聞こえないから聞こえる

明治時代の史跡が残る無人島に作品を設置することになった。電源がないというので、さてどうしたものかと島を探索すると、腰の高さほどの弾薬庫を見つける。中に入ってみると、直前までいた世界が突然スクリーンに収められたように四角く切り取られ、さらに周囲の音は開口部方向からに制限された。庫内は奥に深く、入れば入るほど先ほどまでいた空間を客観視していくような、あるいは自分が世界から切り離されたような感覚を覚えた。

スピーカーを使わないサウンドインスタレーションとして、弾薬庫とトンネルの内壁に吸音パネルを設置、正面以外からの音を徹底的に吸音し、切り取られた景色から音が聞こえてくる弾薬庫を9つ用意した。入り口はすべて別の方角に開口していたため、例えばある弾薬庫は停泊するフェリーのエンジン音がよく聞こえ、米軍横須賀基地が正面の弾薬庫は飛行機の音が、反対側は木々の音、鳥の音がよく聞こえた。

Credit

  • 吸音パネル協力:株式会社 静科
  • 施工:スーパー・ファクトリー株式会社
  • 渋谷清道、鈴木隆行、岡崎彩加、緒方圭太、織原ゆき山田大輔、竹内なぎさ
  • 記録映像/写真:廣瀬健
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