ネネット

ヒューマン・アーカイヴ・センター シリーズより「ネネット」

音響反射板としても機能するステンレス板に取り付けられた二つのスピーカーから、ネネットというオランウータンの檻の前で録音された音が再生される。ボルネオで生まれたネネットは、パリ植物園の中にある動物園で50年以上を過ごす。子どもたちはネネットを指さして「ネネットは僕と同じ?」と聞く。「この大きいガラス壊せるよ!」「ネネットは1972年にここに来たって」と話しながら、もうほとんど動かないネネットの一挙手一投足に沸き立つ。展示室の入り口には”動物たちのために静寂を”と書いてある。全ては私たちの良いように、ネネットは生きてきた。録音を止めることができず展示室の外に出ると、ネネットの檻の鍵を閉める飼育員に出くわす。彼女の腰にはたくさんの鍵がぶら下げられ、その音とともに遠くに消えていった。きっとそれは私でもあった。本作にアーカイブされた音は、訪問者にとっては儚く、ネネットにとっては果てしなく繰り返される瞬間だ。

森美術館
六本木クロッシング2025展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠
2025.12.3 – 2026.3.29
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/roppongicrossing2025/

Size
H1915 × W800 × D573
Media
2ch speakers, media player, stainless plate
Duration
15’27”

Credit

  • 金工:河合広大(mujica)
  • ハードウェアエンジニアリング:村川龍司(arsaffix. Inc)
  • メディアプレイヤー製作:ATL. Inc
  • 協力:関真奈美、Guillaume Piccarreta、本地由和(ヤマハ株式会社)、佐野常典(ヤマハ株式会社)、白井瑞之(ヤマハ株式会社)、Gallery 38
  • 撮影:三ツ谷想
  • ネネット
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